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2020年度前学期 体育学部スポーツトレーニング論B  第3回

運動学習理論の概要

 みなさん、こんにちは。第3回の授業を開始しましょう。今日はこちらからの情報アウトプットを中心にして、みなさんにはインプットをしてもらおうと思います。

 

振り返りの重要性

 先週の課題では「効果的なスキルトレーニング」と「効果的でないスキルトレーニング」の特徴をリストとしてまとめてもらいました。自分の意見だけでなく、他の種目の視点や他の人の観点を取り入れることで、新しい気づきがあったのではないかと予測します。

 再度、自分が作成した効果的なスキルトレーニングの特徴リスト(先週の事後課題)を開いてみてみましょう。自分で読み返してみて、何を感じるでしょうか。もしかしたら、先週は気づかなかったことに、今週気づくかもしれません。何かを学ぶ、つまり学習に関する研究では、質の高い振り返りをすることが重要であると言われています。この授業の中でも、新しいことを考えつつも、折に触れて過去の成果物(今日の場合は先週作成した「効果的なスキルトレーニングの特徴リスト」)やウェブテキストの内容に戻ってみたいと思います。

 

テクニックとスキル

 第2回の事前課題で、テクニックとスキルに関するみなさんの現在の認識について書いてもらうようにお願いしました。そのまま放ったままではよくありませんので、ここで、この授業でどのようにテクニックとスキルを扱っていくのか、言葉の定義をしておきます。

 テクニックとスキルをそれぞれに漢字で書くと技術と技能となります。テクニック(技術)はワザそのものを指す言葉として使い、スキル(技能)とは能力、つまり何かをうまくやる能力を意味します。

 少し例を挙げて説明した方が分かりやすいと思います。皆さんは字を書きますね。字を書くというテクニックを持っていたとしても、字を「うまく」書くスキルを持っているとは限りません。この場合の「うまく」は時に教科書的な「きれい」を意味しているかもしれませんし、書道家が書く「芸術的」なものかもしれません。そこに目的があり、その目的を達成するために、どの程度合目的的なパフォーマンスを発揮することができるかが問われるのがスキルです。テクニックはスキルを構成する要素であると言えるでしょう。字を書くスキルに関して言えば、他にどのような構成要素があるかを考えてみましょう。字を書く目的が何なのか、字を書く文脈(その場面が持つ特徴)が何なのかなど、いろいろ考えられます。

 私たちは日本語を話します。日本語を話す技術を持っていますが、TPO(Time:時、Place:場所、Opportunity:機会・場合)によって、どのような言葉を使うかを選ぶ必要があります。日本語を話す技術を持っていたとしても、相手にどう「うまく」伝えることができるかという日本語のコミュニケーションスキルを有するかどうかは分かりません。

 スポーツの例を出しましょう。サッカーのリフティングテクニックが高い人が、必ずしも試合で活躍できるわけではありません。リフティングテクニックをいつ、どのように使っていくのかといった状況判断がともなった形でできるかどうかが、試合では重要となります。バレーボールでは、オーバーハンドパス、アンダーハンドパス、スパイクといったテクニックを、ポイントをとるためにアタックというスキルとして使います。

 高度なスキルを発揮する人の多くは高度なテクニックも有している場合が多いでしょうが、それらが必ずしも一致するものではないと理解しておくことが重要です。特に効果的なスキルトレーニングをするためには欠かせない観点となります。試合の要素を切り刻んで、細分化された技術に落とし込み、それを細かく練習していったとしても、それはテクニックの練習としては機能するかもしれませんが、スキルのトレーニングになっていない場合が少なくないのです。個々の練習はうまいのに試合ではうまくパフォーマンスが発揮できないといった人が身の回りにいませんか。もしかすると、技術は上手いけれど、本当に試合で必要なスキルのトレーニングができていないのかもしれません。

 

運動学習

運動学習とは

 それでは、ここから今日の本題に入っていきます。今日、確認することは「運動学習理論」です。運動学習理論は文字通り、「運動を学習していくメカニズムの理論」です。今まさに皆さんはスマホやタブレット、あるいはPCでこのウェブテキストを見ています。スマホを使い始めた時、あるいはPCの操作を覚えるときに、どのようにそれを覚えた(学習していく)のでしょうか。今、授業ではMicrosoft Teamsを使っており、皆さんのほとんどがはじめてTeamsに出会ったことと思います。どのように新しいアプリケーションの使い方を学習していくのでしょうか。アプリケーションの使い方については「運動」とはなかなか言えないかもしれませんが、どう動かせばよいのかを学ぶという意味では同じだと思います。

 アプリケーションの使い方が運動学習といえるかどうかを考えていたとき、ふと頭の中にe-sportsが思い浮かびました。e-sportsで画面の中でサッカー選手や格闘選手を動かすのは運動学習と言うのでしょうか。皆さんも是非悩んでください。そして、それぞれの考えを聞かせてもらえると嬉しいと思います。

 

動きを起こす

 話をもとに戻します。運動学習理論についてはSchmidt(シュミット)という人が著した書籍がとても有名で、世界中で教科書的に使われています。ここでもその内容をもとに解説をしていきたいと思います。

 図1を見てください。まずは左の緑色で示された部分に着目しましょう。私たちが動作は何らかの入力がきっかけとなって起こります。野球のバッティングを例として考えてみましょう。ピッチャーがボールを投げるのを見て(視覚的な入力)、ボールが向かってくるのを見ながら(入力の連続)、司令部(脳)でどのように体を動かすかをプログラミングし、その情報を体を動かすモーターである効果器(骨格筋)に運動神経を介して伝達し、実際に骨格筋が動いてバットを振るという結果が生じます。人間の随意運動の制御については運動生理学やバイオメカニクスなど、さまざまな学問分野で学ぶところです。

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図1 運動学習のフィードバック回路(Schmidtを参考に邦訳作図)

フィードバック回路

 今日のテーマは運動がどう起こるかというところの理解から更に先をいき、その動作を修正すること、つまりよりよい結果を得る(動きにしていく)ためにどのようなことが行われているのかを見ていくことです。

このモデルを理解するために、たとえを出したいと思います。エアコンが思い浮かべてください。皆さんは暑いと冷房を、寒いと暖房をいれますね。そのときに温度設定をします。もしかすると、エアコンに「快適設定」などというものがあって、エアコンにお任せしているかもしれませんが、その場合にはエアコンの司令部が判断をして理想の温度を設定してくれていますね。いずれにせよ、司令部が「理想の状態」を設定し(思い描き)ます。

 エアコンのコントローラーでは、現在の温度(入力)と設定した理想の状態の差を分析し、どのくらいモーターを動かすかを考え、その指令を効果器であるモーターへ送ります。その命令に従ってモーターは頑張って動いて、温かい、あるいは冷たい空気を送り出して、部屋の温度を変化させます(結果)。

 一連の作業の結果、室温が変化してきますが、実際に温度が何度になったのか(実際の状態)と、設定した温度(理想の状態)の比較が行われ、その差が新たな入力値としてコントローラー(司令部)に伝えられ(このことをフィードバックと呼ぶ)、次の動作を決めていきます。このようなループを繰り返すことによって、実際の状態を理想の状態へと変化させていくことが行われます。理想の状態と実際の状態の差がなくなれば、タスク完了と判断される訳ですね。

 人間の運動学習においても、同様のことが起こっていると考えられています。頭の中にある理想像と実際の状態を比較し、その差を埋めていくために繰り返し試行が繰り返され、徐々に理想の状態に近づけていくというのです。

 このループを回していくときに重要なのが、「フィードバック」です。理想の状態と実施あの状態との差分を比較結果のフィードバックについてはエアコンの例で触れました。人間の運動学習を理解するときには、あと二つのフィードバックについて知っておくことが重要です。外部情報のフィードバックと内部情報のフィードバックがその二つです。

 

内部情報のフィードバック

 まず、内部情報のフィードバックについて解説しましょう。皆さん、授業中に居眠りをしたことはありませんか。あなたがなくても、友人が居眠りをしているのを見たことはあるでしょう。電車の中でも疲れた会社勤めの方が座って居眠りをしているのを目にします。その人たちの頭の動きを思い出してください。完全に机に伏して寝ている人のことは考えず、頑張って起きていようとしているけれども、睡魔に勝てずというような状態の人がよいですね。うとうとしていると、頭が前に少し垂れたと思ったら、寝ているにもかかわらず、頭の位置が元に戻りますね。「船を漕ぐ」という状態です。本人は頭の位置を元に戻そうとは考えていないのに、体が勝手に元に戻してくれているのです。このような働きを反射と言って、自分を危険から守るために備わっているさまざまな機能のうちの一つです。

 人間の骨格筋には筋紡錘という筋の長さを検知するセンサーがあり、健にはゴルジ腱器官という張力を感知するセンサーがあります。このようなセンサーが自動的に筋の伸びや腱への張力のかかり具合を測って、さまざまな動きを引き起こすきっかけを作っているのです。

 ちょっと皆さん、その場に立ってみてください。周りに何もないことを確認してください。ちょっと動いても何にも当たらないような場所がよいですね。その場で15秒ほど片足立ちをしてください。きっと簡単にできますね。次に支える足をかえてもう一回やってみましょう。それが終わったら、その足で支えたままで、目を閉じてみましょう。無理をしないでバランスを崩しそうになったらすぐに目を開けてくださいね。

 さて、ここで質問です。閉眼片足立ちをしたとき、バランスのとりやすさはどう変わりましたか。ほとんどの人は目を閉じて片足立ちをすると、一気にバランスがとりにくくなったのではないでしょうか。人間が視覚情報をもとにバランスをとっていることがよく分かると思います。視覚情報を奪われると、バランスをとることが突然難しくなります。では、視覚情報に頼れなくなったとき、皆さんはどのようなバランスの取り方をしたでしょうか。もし、そのときの感覚を思い出せないようなら、再度安全なところで閉眼片足立ちをしてみてください。そしてどこに意識を払っているのかを感じてみてください。

 いかがでしょうか。足の裏の圧、足首周りの感覚、膝周りの感覚、腹の下、頭の奥の方など、いろいろなことを感じたのではないでしょうか。きっと人それぞれ、何によってバランスをとるかは違ってきているはずなので、何が正解ということはありません。すべて皆さんの自由です。ここで重要な点は、姿勢を制御するために、体の中にあるさまざまなセンサーをフルに使ってバランスを保とうとしたことです。これが内部情報のフィードバックです。

 バランスという観点から言うと、内耳にある三半規管がとても重要な役割を果たしています。頭の奥の方に意識がいったというひとは、もしかすると、この三半規管をフル活用しようとした人かもしれません。猫を高いところから落としても必ずといってよいほど、クルッと身をよじって四つ足で着地します。猫は高い狭い塀の上を悠々と歩いていたりしますが、三半規管がとても発達しており、バランス能力が優れているために、あのような芸当ができるそうです。

 この身体内にあるさまざまなセンサーからくる情報、つまり内部情報のフィードバックが、運動をコントロールする上では非常に重要な役割を果たしていると言われています。いわゆる「運動感覚」というものだと言えるでしょう。

 

外部情報のフィードバック

 次に外部情報のフィードバックについて話をします。内部情報のフィードバックに比べ、イメージをしやすいのが外部情報のフィードバックだと思います。内部情報のフィードバックが、学習者の体の中で検知されている情報をフィードバックすることであるのに対し、外部情報のフィードバックは学習者の外に表れた情報をフィードバックするものです。たとえば、的に当たった/当たらなかった、ボールがどこに飛んだか、タイムが何秒だったかといった情報のフィードバックです。

 皆さんも、自分が行った行為の結果を見て、自分の行為を修正していくことを日常的にやっていることでしょう。ゴルフの打ちっぱなしで1本のショットを打った後、どのような軌道でボールが飛んで、どこにボールが落ちたのかを確かめて、次のショットのやり方を少し修正してみたり、新体操で自分の演技をビデオでみて、次の演技を修正してみたりしていると思います。

 

総合的に実際の状態が評価される

 今、内部情報と外部情報のフィードバックを別々に解説しましたが、実際には、外部情報だけ、あるいは内部情報だけがフィードバックされているのではなく、図にあるように外部情報は内部情報と一緒になって理想の状態と比較され、比較結果のフィードバックとして次の行動プログラミングに活かされます。皆さんも経験上分かるでしょうが、外部情報だけでは行動を修正することはできません。外部情報で得られた結果が、自分のどのような身体運動感覚によって生み出されたのかを関連付けて評価することによって、次に自分がどのような「感じ」でやってみようかという計画が立てられるのです。

 そして、忘れてはならないのが、その感覚は自分にしか理解できないものであり、他者の感覚は自分の感覚とは違っているのだということです。外見上、とても類似したパフォーマンスをしていたとしても、それを生み出すための「感覚」はそれぞれ異なります。あるいは言葉として表現された「感覚」が同じであったとしても、本当に感じていることは違っているかもしれませんし、言語的な表現上、同じ感覚であったとしても、できあがるパフォーマンスは違うものになる可能性は高いといえます。

 

内部情報の外部情報的フィードバック(バイオフィードバック)

 最近のテクノロジーの進化によって、自分でもなかなか検知できない身体内部の反応を外部情報として知ることができるようになってきました。たとえば、皮膚の上に電極を貼り、骨格筋の働きを筋電図として可視化することが可能です。筋が働くメカニズムはスポーツ生理学等、さまざまな領域で学習していることと思います。人間の身体の中の情報は化学物質や電気信号として伝達されますが、筋電図は神経から筋へと伝えられる電気信号を電極で検知するものです。自分はリラックスしていると思っていても、筋はそうなっていないなどということがあるものです。

 スポーツ現場で近年注目されているのが、脳波を検知し、それを可視化、あるいは音として表現し、自分の脳の活動を知った上でトレーニングを行っていくという方法(ニューロフィードバック)です。たとえば、ゴルフのパッティングを行う際に、邪念が入っていない状態でパットが打てるようなトレーニングが行われているということも聞きます。また、スノーボードなど、常に命の危険と隣り合わせであるエクストリームスポーツのアスリートがスタート前に適切な精神状態になるためのトレーニングとして、ニューロフィードバックを使った方法が開発されています。

 血液の中を流れる酸素の量を可視化して、トレーニングに活かそうとしたりする方法も開発されていますし、骨格筋の動きを可視化するような手法も開発されています。テクノロジーの進化はとどまるところを知りませんので、今後どのような方法論が生まれてくるのか楽しみです。

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図2 スキル獲得の過程(Schmidtを参考に邦訳作図)

スキル獲得の3ステージ

 図1に示したようなフィードバック回路を使った繰り返し練習によってスキルが獲得されていくと考えられていますが、スキルの発達には大きく分けて3つの段階があると言われています(図2)。

 ここでも一つ例を挙げて考えてみましょう。「竜髭菜」はなんと読むでしょうか。読めたら凄いです。答えは「アスパラガス」です。アスパラガスの葉がリュウのひげに似ていることが由来とされているそうですが、今はその語源はおいておきます。アスパラガスを漢字で書いて、練習しましょう。中には既に知っていて余裕で書けるという人は他の難しい漢字をネットで探してきてください。

 さあ、練習を始めました。理想の状態は頭の中、あるいは画面の中にあります。頭に入力され、しっかり、骨格筋に命令を出して、竜髭菜という結果をだしてください。2回目を書いて学習していきましょう。3回目・・・。と繰り返しているうちに、徐々に慣れてきますね。学習が進んできている可能性が高いと思います。ぜひ、明日、ちゃんと覚えているかどうか試してくださいね。覚えていなかったら学習したとは言えません。

 最初新しい事を学習しようとすると、頭がものすごく働いている、メンタルのフル稼働状態になります。これが第一段階のメンタルステージです。しっかり意識して考えながらやるステージですね。ある程度のイメージがつかめてくると、今度はそれを定着させるプラクティスステージに入ってきます。実際の運動学習ではここに多くの時間を費やす必要があります。そして、練習を繰り返し、繰り返ししていると、いつのまにか考えなくてもできる、つまりオートマティック(自動化)ステージに至ります。

 このように人間は一気に物事を学習するのではなく、徐々にいくつかのステージを経て何かを学習すると考えられています。

 

コーチは支援もできるが邪魔もできる

 最後にコーチングという観点から、運動学習理論をみてみたいと思います。図1のフィードバック回路に再度注目してください。学習者が行動をし、その経験をもとに新しいスキルを身につけていくループを自分のなかで回していきます。運動学習理論から考えれば、学習者、つまりはアスリートが主体的にスキル向上に取り組まなくてはならないことがよく分かります。

 皆さんが自分のなかでフィードバック回路を回していたとしましょう。コーチが声をかけることによって皆さんの思考はどうなりますか。自分の内部情報のフィードバックと外部情報のフィードバックを統合して次に何を修正してみようかと考えているときに、コーチが「おい、なにやっているんだ」といったことを言ったとすると。スキルが上手くなるためには自分でフィードバック回路を回すことが最も重要なことなのですが、アスリートがそれを自分でやっているときにコーチが声かけをすると、自分で主体的に取り組んでいくという大切な作業をコーチが邪魔してしまうことになります。コーチとしてはアスリートのためをと思ってやっていることが、アスリートの成長を阻害してしまっているとしたら、なんと悲しいことでしょうか。

 黙る、ということもコーチングではとても大切な行為になります。コーチだからといって声をかけ続けなくてはならない訳ではありません。アスリートの自分で考えることを邪魔する声かけはない方がましです。そのぶん、コーチはしっかりアスリートがフィードバック回路を回しながらやっているかどうかを観察するようにしなくてはなりません。今、このアスリートは何を考えているのかなと。もしも、何も考えられていないとしたら、しっかりとフィードバック回路を自分で回せるようにするための支援的な声かけは必要でしょう。あくまでもアスリートが自分でフィードバック回路を効果的に回すための手助けに留めるべきです。そうしないと、コーチに思考を依存した、コーチに操られないと自分自身を改善できないアスリートを育ててしまうことになってしまうかもしれません。

 内部情報のフィードバックを適切に行っていくための支援としては、コーチからの問いかけが挙げられます。アスリートに対して、感覚を研ぎ澄ませないと答えられないような質問をしてみたり、アスリートの感覚を理解しようとする質問を投げかけて会話をするなかで、アスリートが新しい視点を得たりするようなやりとりも可能です。あくまでも、アスリートがより内部情報のフィードバックがうまくできるようになることを意識したアプローチです。

 外部情報のフィードバックについては、アスリートが自分で結果が分からないものを提供していくことが望ましいといえます。たとえば、ゴルフでアプローチショットを打ったとき、グリーンがアスリートの目線よりかなり高いところにあって、どこにボールが止まったのかが分からない場合、結果をコーチが教えてあげることが有効です。アスリートにとっていやなのは、自分が見て分かっているものを、再度コーチに嫌がらせのように指摘されることでしょう。本当にその情報を与えないと、アスリートはフィードバック回路を回していくのに必要な外部情報を知り得ないのかを考えて、アプローチする必要があるでしょう。

 繰り返しになりますが、運動学習理論はアスリートセンタードコーチング(アスリートの主体的な取り組みを促すコーチング)を強く勧めています。より高いレベルにスキルを到達させるためにも、アスリートの主体的な取り組みを促していく必要があるのです。

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